2016年12月末、国民的アイドルグループSMAPが解散しました。
ファンクラブに入会し、コンサートにも行っていましたが、解散時それほど悲しくはありませんでした。
2015年の年末からスポーツ紙に「解散か!」と書かれていたし、お正月過ぎの俗に言う『公開処刑』をリアルタイムで見て、心の準備は出来ていました。
バラエティ番組もなんだかつまらなくなってきたし、新曲も出ませんし、コンサートの青い封筒も来ません。もう潮時なのだと思いました。
退所したメンバー3人はしばらくテレビに出なくなりましたが、引退したわけではないし、いずれ会える日がくると思っていました。
私の初恋の人、ジュリーこと沢田研二さんも渡辺プロダクションを辞めて独立した時は暫くテレビに出られませんでした。
今は本人の意志で出ていないようですが、俳優として映画に出ていますし、コンサートに行けば以前と変わらない歌を聴かせてくれます。
稲垣吾郎さんも草彅剛さんも香取慎吾さんも才能ある人なので、このまま消えていなくなる事は絶対無いと信じていました。
鈴木おさむさんが書いたこの本は、「あぁ、そうだったのか」と隙間をうめるような気持ちで読めました。
森且行さんがグループ脱退する時の記者会見時、なぜか中居正広さんがジャイアンツのユニフォームを着て参加していました。
本では『リーダーは。グループを辞めるモリクンを助けにきた。リーダーとして。』と書いてあります。
そういえば、ワイドショーの芸能ニュース、確かにそうだったと思い出します。
雰囲気は和気あいあいとした感じで、脱退の会見がこんなに良い感じになるとは思っていませんでした。
初めて彼らを見たのは、たまたま見た「夢はモリモリ」と「愛ラブSMAP」の最後の方。1995年、秋頃です。
会社の同僚が「今はキムタクの時代だよね」と言った一言です。当時キムタクを知らなかった私。それと同時期に雑誌「アンアン」の「抱かれたい男」ランキングを見て、知らない男性ばかりだったことに衝撃を受けました。
その頃テレビに興味を失っていた時期でしたので、「抱かれたい男」を知らない事が、流行に取り残される危機感を覚えたのです。
それからテレビを見るようになり、キムタクこと木村拓哉さんを確認し、SMAPを認識しました。今どきの男子たちのかたまりに癒やされたのです。
私が32~33才くらいの時です。
ちょうど自動車事故を起こし、落ち込んで気持ちが晴れない日々が続きました。テレビで見た、明るく元気な彼らに助けられた気がしました。
それからテレビでSMAPをチェックする日々になります。友人もいつの間にSMAPにはまっていることが判明し、一緒にコンサートに行くようになりました。
夫からはいい年してアイドルに夢中になるなんて恥ずかしいと言われましたが、気にしません。夫もいつの間にやら木村さんのドラマにドはまりしていました。
2000年、木村拓哉さんが工藤静香さんと週刊誌に撮られます。しばらくして結婚と妊娠の見出しがスポーツ紙に出てしまいました。
本当はツアーが終わってから会見する予定でしたが、急きょ変更し、コンサート終了後にひとりで記者会見することになります。
その裏側も書いてあります。チーフマネージャーの飯島三智さんの「男らしくない!」の一言で会見が決まったこと。いつもは強気の木村さんも本当は不安で緊張していたこと。
会見を終えて楽屋に戻ると、メンバーみんなが「結婚おめでとう!」と木村さんを笑顔で迎えます。
そして少人数でのお祝いの食事会が開催されらことと、彼らが笑って祝ったことに、当たり前ですが良かったなという気持ちです。
東京ドームの初日、コンサート始めに木村さんひとりでファンの前で結婚を報告します。この日、私も東京ドームにいました。
木村さんがひとり登場して、結婚を報告。
おめでとう!という大歓声と、一部でブーイングもあったと記憶しています。でも、歌と歌の間のフリートークでは結婚話で爆笑が続き、大いに盛り上がりました。
ブーイングは一切聞こえませんでした。
結婚をピンチと言ってしまうなんて、アイドルは辛いなぁと思ってしまいます。でも、アイドルだって結婚したりや子どもがいてもいい、これが新しいアイドルの進化の形であり、木村拓哉さんだから出来たことだと思います。
海外の有名スターが番組に出ることも多々ありました。海外でロケをしたり、豪華なセットで豪華なスターが出演しました。
後輩グループも自分達の番組をヒットさせ、裏番組のお笑い芸人トーク番組が始まりました。
でも、番組はなんだかマンネリ化してつまらなくなったと感じていました。有名ゲストに頼っているような気がして、もっと体を張ったコントが見たいのですが、なんだか違う気がします。
2013年、そんな時に「5人旅」の企画が発表されます。これは絶対に面白そう!見逃せない!!行き先は大阪のUSJです。
罰ゲームで、登山したりマラソンしたりのスペシャル番組は、最近やっていませんでしたから。
スタッフは大阪周辺を丹念にロケハンし、全て先回りして準備していました。
メンバーは大阪に着くとレンタカーを借りて、いざ出発します。
少し先を運転しているスタッフに中居正広さんだけ気づいていて、香取慎吾さんはスタッフがこうしてほしいと察する能力が異常に高いと、鈴木おさむさんは書いています。
ここはもう隠れて撮影しているスタッフと阿吽の呼吸だったそうで、ふたりのリードによって、すんなりと出来事が進んだのでしょう。
おかげさまでとても楽しい番組でした。視聴率も良かったそうです。
これは面白かったのですが、裏番組の方が勢いもあり、もう「スマスマ」は終わってもいい気がしてきました。
だんだんと終焉が近づいてきました。
2016年の1月、SMAP解散の文字がスポーツ新聞に載りました。当初は全く信じていませんでしたが、記事が次々に出ます。もしかしたら本当かもしれないと気持ちは揺れます。
「今日のSMAP×SMAP、生放送するらしいよ」と、夫が教えてくれました。見ると「解散報道を否定し、ファンに迷惑をかけた事を謝罪する」という内容でした。
全てが異様でした。番組初頭のテロップに始まり、黒いカーテンの前に黒いスーツを着た五人が並びます。公開処刑ともお葬式の様とも言われました。
別に謝罪の言葉なんて必要ないのになぜ謝る必要があるのだろうという思いと、草彅剛さんの「今回、ジャニーさんに謝る機会を木村君が作ってくれて、今、僕らはここに立ててます。」という意味の不可解。
コメントは全て用意されたもので、その言葉は副社長のメリー喜多川さんが書いたものだと明かされます。一番言いにくいセリフを草彅さんに言わせたと、鈴木おさむさんは悔いています。
草彅さんのコメントの意味は「木村さんを除いた四人が悪」という意味でした。
そして、8月に解散が発表されます。ドリフターズみたいに番組は終わってもグループは解散しないんじゃないかと思っていました。
まだまだ人気があっても、メンバーそれぞれの気持ちが離れてしまったのであれば、解散は致し方ないです。本人たちの意志を尊重し、受け止めることにしました。
ずっと持っていたファンクラブの会報と雑誌の切り抜きは全て捨ててしまいました。もうコンサートで内輪とペンライトを振れないのかと思うとさみしい気持ちになりました。
ジュリーの歌で、昔の仲間に呼びかける歌があります。「Long Good-by」という歌です。
こんなに長い別れになるなんて
あの時は思わなかった
(中略)
僕らはきれいな大人になれたかな
歳ばかり重ねてきたな
30年以上、すきまは重いけど
今なら笑い合いたい
君は今は 東京の何処かで暮らしているんだ
ほんとうに ほんとうに君のこと
いつも いつも 気にかけている
永遠の今が続きならば
一度酒でも 飲まないか
そして、この歌のおかげかどうかは分かりませんが、2013年オリジナルメンバーが集まり、グループ再結成、コンサートツアーを行いました。44年ぶりの事でした。
もしいつか再結成するなら、全てのわだかまりが消えてから、おじいちゃんになってからでも構いません。
再結成しなくても別にいいです。ファンの責任として、これからも全員の行く末を見守りたいと思います。
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