土曜日に映画「アイアンクロー」を観ました。
実話を元にしたアメリカのプロレス家族の話です。
父親のフリッツ・フォン・エリックは1960年~1970年代に活躍した、元AWA世界ヘビー級王者。
鉄の爪と呼ばれる、巨大な手を大きく開いて、相手の顔をつかむ必殺技を持っています。
その息子たちと父親の話です。次男ケビンの視点で描かれています。
若くて体格のいい兄弟がブリーフ姿でトイレのドアを叩いて「早くしてーうんこ漏れそうだー」というシーン。
朝食時の食欲ある兄弟に対し、眉間にしわをよせて支度する母親、家事が大変そうです。
兄弟が川遊びに興じる姿は微笑ましくて、ほっこりした気持ちになります。
1980年初頭、次男ケビン、三男デビット、四男ケリー、五男マイクは次々と父親に従いプロレスラーとなります。
長男は幼い時に亡くなっています。
父親が命令的なのが気になります。自分の果たせなかった夢を息子達に託すことはありますが、度が過ぎているように感じます。
皆、父親に従順で、年相応の反抗期はあったのでしょうか。
三男デビットがプロレスツアー先の日本で急死します。内臓疾患でした。
ここからフォン・エリック家を不幸が襲い続けます。
一番最後にデビューした末っ子のマイクは、試合中に強くマットに投げられ動けなくなります。
半身不随となり言語障害も残ってしまいます。元々彼は音楽が好きで、大学でバンドを組みギターを担当していました。
今はギターさえまともに弾けなくなってしまい、自死してしまいます。
次男のケリーは不安感からかドラッグに手を出すようになり、ある夜大量にお酒を飲みバイク事故を起こします。
そして片足の足首から下を失います。懸命に努力し義足で復帰しようとしますが、思うようにはいかず、次男も自死してしまいます。
ケリーは見つけた長男ケビンはケリーを抱きかかえ、実家のテーブルに寝かせます。
父親があれこれ言ってきました。その時ようやくケビンは「うるさい!」というのです。
もしかしたら言葉は違っていたかもしれませんが、反抗的態度をとります。これで終わるのがなんとも切ないです。
ウィキペディアによると六男もいて、彼もやっぱり21才の若さで自死しています。
呪われた一族と世間では言われたそうですが、その原因はあまりにも勝利にこだわった父親にあるのではないでしょうか。
マイクにいたっては仕方なくプロレスラーになったように見えます。
この映画はプロレス好きの夫が観たいというので、渋々観たのですが、楽しめたのは兄弟達がわちゃわちゃ遊ぶシーンだけです。
あと、真面目なケビンがマイクパフォーマンスの収録で何度もトチリ、何度も撮りなおすシーンも面白かったかな。
1980年代初めのファッションや音楽、へアースタイルもキュートです。
公式サイトを拝見したら、何人ものプロレスラー、タレント、著名人のコメントがありました。
皆さんの熱いメッセージに感動しました。
驚いたのは、大仁田厚さんが父親とも息子とも対戦していることです。
プロレスの熱狂的ファンにおすすめの映画です。
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