映画『ファーストボイス』懐かしい1989年。綾瀬はるか主演の日本初ハラスメント裁判に挑んだ女性たちの物語。そして現在のハラスメント。

映画

1989年。昭和から平成になった時期。土地の値段は右肩上がりで、下がらないと考えられていた時代です。

実際にあった福岡セクシャルハラスメント訴訟に着想を得て作られた映画とのことです。

幼い3人の子どもを抱えて働く弁護士・朝日道子(綾瀬はるか)のもとに、職場で上司に嫌な噂を流され退職を余儀なくされたという上原恵(ファーストサマーウイカ)が訪れ、会社と上司を提訴したいと言います。

異性との交際が派手だとか遊び好きだとか社内や社外の人に言いまくり、会社の上層部にも同じ話をして、会社から退職を求められたのです。
「異性関係が乱れている」だの「夜遊びが好きで朝帰りした」だの「不倫している」だの言いますが、あなたは本当に見たのですか?だとしてあなたに迷惑かけましたか?会社に不利益ありましたか?と、会社と上司に聞きたいです。

仕事が出来て周囲の信頼も厚くルックスもいい恵に、上司が嫉妬心を抱いて嫌がらせしたのは明らかです。

昭和時代はセクハラという言葉が無く、そんな考えも無い時代でした。職場で性的被害を受けても「遅くまで残業しているあなたが悪い」とか「隙があったあなたが悪い」とか言われて、「女は宴会で男にお酌しろ」とか「チークダンスしろ」とか「若いうちが華」とか言われて。思い出しても腹が立ってきて、キーボードを打つ指に力が入ってきます。
ほとんどの性的被害は人に言える話しではなかったのです。過去の恨み辛みが止まりません。

道子の後輩弁護士は「勝ち目がない」「まずは支援者を集めるように」と言います。「えっ?たった一人で支援者を集めるの?」私だったらこの時点で諦めてしまうでしょう。会社の同僚は上司のいやがらせを見聞きしてても協力は無理です。自分の身が危うくなるからです。どうやって社外から支援者を探すの?って、道子は恵を突き放しているようにみえました。後輩弁護士もていよく依頼を断ったと思ったでしょう。

でも元々仕事が出来る恵ですから、頑張ってなんとか支援者を集めます。

ここでようやく道子は「たしかに勝ち目は無いかもしれないけど、これは性差別だし、戦えばそれなりに意義がある」と正式に依頼を受けます。

すぐに寄り添えなかったのは、大変な裁判になりそうだから生半可な気持ちでは出来ない、それ相当の覚悟を持ってほしいという道子の気持ちだったようです。

なんだか道子に少し違和感を感じてしまいます。
幼い子どもが3人いるので、仕事が忙しくて家事の時間が足りず、家の中は散らかっています。そんなことはどうでもいいのですが、いつも前向きでお人良しでお金にならない仕事を受けがちな、スーパーウーマンです。道子にあまり悩んでいる様子が無いのです。
ピンチになると「レッツビギン!」と言って、問題を解決していきます。
法廷の場面が少ないからか、少し軽く見えてしまうのです。

そして裁判は始まり、紆余曲折あり、ようやく1992年に判決が出ます。
道子も恵も支援者たちも大変な道のりでした。

「男女雇用機会均等法」は1985年に制定されましたが、内容は努力義務でした。1997年にセクシュアルハラスメント防止も追加され、2006年に「努力義務」から「義務」となりました。
2019年の法改正では、企業の女性活躍推進と、ハラスメント防止措置の義務化が明確にされました。

約三十年後の現在、先輩方のおかげで、されて嫌なことの名前が次々と定着していきました。

セクハラ、パワハラ、モラハラ、カスハラ、アルハラ、フキハラ、ついでにハラハラ。

ハラスメントハラスメントです。

4文字に略されてずいぶんと身近になりました。
知っている人のなかにすぐ「パワハラされた」と言う輩がいるので、周囲はこれにうんざりしています。これが「ハラハラ」です。

つい最近「ホワハラ」っていうのを知りました。ホワイトハラスメント。やり過ぎな配慮のことです。

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