どこかから、母と娘と幼い妹の3人家族が台北のアパートに引っ越してきます。
母親が夜市で麺屋台を始めるためやってきたのです。
十代後半の娘イーアンもその店を手伝います。
無愛想なイーアンですが、5才の妹イージンを可愛がっていて、幼稚園の送り迎えは彼女の役目です。
幼稚園から戻ると、夜市はイージンの遊び場です。
赤い提灯やカラフルな看板が、少し猥雑さも感じさせつつ活気にあふれ、イージンがのぞいていた万華鏡のようにキラキラしています。
イージンが夜市を駆け回るシーンが圧倒的に可愛いです。
その後ろをピタリとカメラがくっついて撮影しています。iPhoneでの撮影とのことです。なるほど。夜市の人々のざわめきと躍動感を感じます。
近所の雑貨店の呼び込みを手伝ったり、屋台の手伝いをしたりして、夜市の人々に可愛がられ、アイドル的存在になっています。
台北の実家でイージンは祖父から「左手は悪魔の手だ」と言われ、左利きを矯正するように言われます。家族は「そんなの迷信だ」と言いますが、真に受けたイージンは左手で万引きするようになります。
万引きで盗んだハンカチや小さな縫いぐるみなど、細々したものを引き出しに隠しています。大きな中華風の包丁を左手の上にかざしたりもします。一瞬息をのみましたが、すんでのところで思いとどまります。あー、良かった。さらにはアームカバーのようなもので左手を包んでしまいます。
母親の屋台の経営は苦しく、おまけに離婚した父親の入院費や葬式代まで負担して、賃料を支払うことが出来ません。立ち退きを迫られています。実家にお金の工面を頼みますが、断られてしまいます。
イーアンは刹那的な生き方をしていて、アルバイト先の店長と不倫し、妊娠してしまいます。中退してしまった高校時代の同級生と再会しますが、お互い変わってしまい昔のような付き合いは出来ません。全くいい事がありません。
ストーリーが進むにつれて家族の過去が明かされていきます。
父親は事業に失敗して離婚した後も、その借金をずっと母親が返済していたことや、入院費や葬式代まで出していたこと。
イーアンは元々頭のいい子でしたが、途中で高校を中退し姿を消したこと。
実家の祖母のお誕生日会がお店を貸し切って開かれます。
けど、どん詰まりの中、「左手の悪魔」が予想外に役立つのです。
こんな伏線回収を誰が思いつくでしょうか。
台湾もなかなかの家父長制です。女児より男児を尊ぶ文化があるようです。この映画の母親の姉妹弟の中で、弟だけがいい目にあっているように見えます。イーアンの不倫相手の妻が、もし男の子が産まれたら私が育てると乗り込んできます。
遺産相続では一度嫁にいった娘に財産は渡さないらしいです。だから実家は借金を断ったのですね。
そして明かされる最大の秘密。その後の晴れ晴れとした表情がすてきです。
イーアンとイージンの二人は、万引きした小物たちを謝りながら1軒1軒返していきます。どのお店でも怒られることなく可愛がられるイージンです。
どこでもシングルマザーが生きていくのは大変ですが、どうか図太く生きてほしいです。
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#左利きの少女 #台湾映画 #左手は悪魔の手
