映画『ライスボーイ』韓国系カナダ人親子の物語。母と息子の静かな情愛と韓国の美しい景色に久々に泣いてしまいました。

映画

最近映画を観てあまり泣かなくなった私。いつも夫に安っすい涙だと言われていましたが、久々に涙が止まりませんでした。
この映画は韓国系カナダ人のアンソニー・シム監督の半自伝的な物語だそうです。

韓国の孤児院で育ったソヨンは大人になって、除隊したばかりの学生と恋に落ち、男の子ドンヒョンを出産します。でもその学生は心を病み自殺してしまいます。
ソヨンは幼いドンヒョンを連れてカナダに移住します。
ソヨンは気を抜いたらなめられるという、張り詰めた気持ちで工場で働いています。ドンヒョンも学校でアジア人である事を理由にいじめを受けます。
学校の先生がドンヒョンと発音しづらいため、英語風の名前に変えるようすすめてきます。名前をいくつか書いた紙を渡し、このリストの中から選ぶように言います。これはなんとなくイヤな感じがします。

映画の中でソヨンは「いじめられたらテコンドーでやり返せ」と言います。
いじめを受けたドンヒョンは、母親の言う通りやり返したところ、勢い余って相手に怪我を負わせてしまい処分を受けます。ソヨンが学校に抗議しますが、全く話しを聞いてもらえません。
このあたり人種差別のにおいがプンプンします。

昼間はカリカリしているソヨンも、夜にはドンヒョンに本を読んできかせ、親子の情愛を感じます。

やがてドンヒョンは15才高校1年生になります。メガネをコンタクトに変え、黒髪を金髪に染めています。ちょっとやさぐれていますが、すっかりカナダ人になっています。
学校で「自分のルーツを調べ家系図を書くこと」という課題が与えられます。学校の先生は親や親戚に話しを聞き完成させるよう言います。多分「自分とは何か」みたいなテーマなのでしょう。
ドンヒョンは白紙の紙を机に置き、ただ見つめるだけで、何も書くことができません。

次第に、自分のルーツや自分の父親を知りたい気持ちが募っていきます。

ソヨンの働いている工場に韓国系が何人も増えていて、休憩時間にはおしゃべりが止まりません。仲間が増えていて安堵します。でも今だに子どもの名前を英語風に変えるよう言われているらしく、名前のリストも健在で、母親たちはどの名前がいいか相談しあっています。

また、ソヨンには恋人が出来ていました。幼い時にカナダ人夫婦に養子にもらわれてきた、心のやさしい韓国系カナダ人のサイモンです。いい人で本当に良かったとホッとします。

でも、家に訪ねてくるサイモンと楽しそうに会話するソヨンと同じ部屋にいたくないドンヒョンは、自室で音楽を聴いています。15才の多感な時期、母親が他の男性と仲良くするのが嫌なんですよね。

サイモンからプロポーズを受けた頃、ヨソンは末期ガンであることが分かります。

工場の友人にはガンであることをすぐに伝えるのに、なぜかドンヒョンとサイモンにはなかなか伝えることが出来ません。

最後ようやくドンヒョンに伝えますが、大人ぶっていた顔が一気に幼い子どものような顔になってしまう様にまたも涙が流れます。

親子は韓国へ帰郷し、ドンヒョンの父親の故郷を訪ねます。

ドンヒョンにとって、始めての韓国です。

父親の実家は農家でした。山の中にある実家の周囲は一面田んぼと畑が広がっています。
お義母さんは会うことを拒絶しますが、お義父さんと義弟は温かく迎えてくれます。そこで食事を頂き、「ご飯が美味しいだろ」と言われます。
だってお米が主食の民族ですから、地元のご飯が美味しいのは当然です。
お義母さんの態度は息子を失った悲しみの、八つ当たりだと皆も分かっています。

ドンヒョンは父親の遺品を受取ります。その中からアーミー柄のジャケットを取り出すと、嬉しそうな顔ですぐに羽織ります。

そして二人は父祖のお墓参りに行きます。途中で歩けなくなったソヨンをおんぶして歩くドンヒョンに、またも私は涙がこぼれます。カナダにいた時は朝なかなか起きなくて、いつも怒られてばかりいた子どもだったのに、いつの間にこんなにたくましくなったのかと。自分も親になったような気持ちです。

ずっと歩いてようやくお墓に着きます。ソヨンが韓国の作法に則りお供えものを並べてお参りします。その通りにするドンヒョン。いままで韓国の作法なんて知りませんでした。

最初は人見知りをしていたドンヒョンですが、次第に家族と心を通わせ、特に叔父さんと仲良くなり銭湯で大はしゃぎします。この銭湯のシーン、母親以外に血のつながりのある家族を知らなかったドンヒョンが心から楽しそうで、心がほっこりします。

緑の山々が連なる景色が美しいです。

いい風が吹いています。

実家の周囲の田んぼが広がる風景も、美しいです。

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#ライスボーイ #アンソニー・シム監督 #韓国系 #カナダ