映画「先生の白い嘘」鬼畜早藤のせいで胸糞悪い。誰にも感情移入出来ません。

映画

映画公開直前に三木康一郎監督の「インティマシーコーディネーターを拒否した」発言と、公式サイトの「快楽に溺れ」の一文削除の件で、世の中を騒がせている映画を観ました。パンフレットも発売延期でした。

この映画に原作があるのを直前まで知りませんでした。公式サイトに原作者のコメントがありました。
「私は性被害を無くしたくてこの漫画を描いた。被害にあったひとが恐怖心から、恥辱から、自己嫌悪から、声を上げられずにいる様に憤って、胸を痛め、この漫画を描いた。」

性被害にあうということは、本当に精神的ストレスを受けます。すぐに助けを呼べた場合は最悪の中でもラッキーです。なかには人に言えず、自分を責めてしまったり、呼び出しに応じてしまうケースもあります。
なぜすぐ警察に行かなかったんだと非難する人もいますが、性は恥ずかしいものといった考えが幼い時から植え付けられており、簡単に意識を変えられるものではありません。

朝ドラの「虎に翼」で見た憲法第14条で「すべて国民は法の下に平等」って男女平等のはず。だけど性においては、ずっと男性優位だと思います。男は「合意の上だった」ってすぐ言いますし、「本当は喜んでいた」などと言ったりもします。
男が力ずくで女を押さえ込めば、女にそれをはねのける力はありません。裁判になれば誹謗中傷が被害女性を苦しめます。

主人公の美鈴奈緒さん)は、高校の先生をしています。クラスの男子生徒新妻猪狩蒼弥さん)が人妻と付き合っている噂が流れます。
学校側は「付き合っていない」の一言を聞き出して事を収めようと画策します。
新妻は美鈴と2人の面談で、人妻に誘惑されホテルに行ったことを認め、更に「女性が怖い」と言います。

美鈴は「性は男女平等じゃない」と言います。

2人とも正直すぎて怖いです。学校の先生にこんな事打ち明けますか?生徒が先生の家を訪ねて、簡単に部屋に入れてしまうのも、ありえません。
セリフがポエムみたいです。2人が惹かれ合っていくのは、何か共通する匂いを感じたからかもしれません。

美鈴の親友美奈子三吉彩花さん)の婚約者、早藤風間俊介さん)は鬼畜です。腕力で女性を押さえつけて、男の特権を利用しています。
過去に美鈴は早藤に暴行され、今なお最悪なことを要求され続けてます。新妻のおかげで勇気を得た美鈴は、早藤に強気に出ることに成功します。

苛立つ早藤は美奈子に強引にせまり……やがて美奈子は妊娠します。

早藤は美鈴にホテルに新妻も連れてくるよう命令します。しかし自信を得た美鈴は1人で立ち向かいます。
逆ギレした早藤は美鈴をボコボコに殴りつけ部屋から出ていきます。

美鈴は顔に大怪我をしますが、美奈子に発見され病院に運ばれます。美奈子は「早藤を救えるのは私だけ」と早藤をかばいますが、こんな胸くそ悪い男のどこに惹かれたのでしょうか。
早藤と美鈴の関係を知っても別れない理由を知りたいです。

その後、早籐は首吊り自殺を図りますが、美奈子の耳の良さでギリギリ助かります。話が急展開して驚きますが、原作ではきっと早藤の変化も描かれているのでしょう。
早藤は警察に電話し女性を暴行したと自首します。

性加害を自覚した男はこれからどうやって生きていくのでしょうか。

鬼畜の早藤に子どもができるなんて、本当に哀れです。というか、風間俊介さんも、難しい役に挑まれて大変だったと思います。もちろん奈緒さんも。

やっぱりこれだけセンセーショナルな映画ですから、俳優たちは精神的なケアを十分得られていると信じたいです。

奈緒 / 原 美鈴
猪狩蒼弥 / 新妻祐希
三吉彩花 / 渕野美奈子
風間俊介 / 早藤雅巳
監督:三木康一郎
原作:鳥飼茜
脚本:安達奈緒子

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