映画『ヤンヤン 夏の想い出』4Kレストア版 台北の家族それぞれが経験するひと夏の物語。

映画

2000年公開の台湾のエドワード・ヤン監督の遺作「ヤンヤン夏の想い出」を観ました。
第53回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しています。

8才の少年ヤンヤンは、コンピュータ会社を経営する父NJと会社員の母ミンミンと高校生の姉ティンティンと母方の祖母の家族5人で、台北のマンションに住んでいます。

題名は「ヤンヤン・・・」ですが、家族の様々な出来事が同時進行で、それぞれ色々ありますが、ひと夏を淡々と描いています。

ヤンヤンの叔父アデイの結婚式から物語は始まります。新婦のお腹には赤ちゃんがいます。
披露宴にアディの元カノが「私が結婚するはずだった」と乱入してきます。思いっきり相手を罵倒して結婚披露宴を混乱させますが、言いたい事を言えるパワーに私は羨ましさを感じました。

そのせいではないと思いますが、祖母が倒れてしまい昏睡状態となります。自宅のベッドで眠たままの祖母に、医師は祖母の回復のために枕元で話しかけるように言います。

ヤンヤンはベッドで眠る祖母に「なんで寝ている人に話しかけなきゃいけないの?」と尋ねます。
いとこの女の子たちにいたずらされても、決して怒ったりふてくされたりしない素直ないい子です。

父NJはアディの結婚式で偶然にも初恋の人シェリーと再会します。
仕事で訪れた東京で落ち合い、ふたりは20年ぶりにデートすることになり、熱海を訪れます。熱海のホテル館内を外遠くから望遠で撮した場面は波音だけが聞こえ、とても美しいです。
不倫かと思いきや、真面目なNJは別々に部屋を取ります。でもシェリーは夜遅くにチェックアウトしていたことをNJは翌朝知ります。
大人の恋は寸止めがBestです。気持ちが一瞬でも通じ合えたことを知ることができたなら幸せなことです。

高校生の姉ティンティンは片思いに悩んでいます。
失恋して落ち込む彼女を祖母は何も言わずやさしく抱きしめ、一緒に折り紙を折ってひとときを過ごします。祖母はずっと寝たきりだったのに、なぜか起き上がっています。
ティンティンはいつの間にか眠ってしまい、物音で目覚めると祖母は危篤状態で救急搬送されていました。ベッドにはさっき折った折り紙があります。
現実世界の中でまぼろしのような、このシーンが私は一番好きです。

やがて祖母のお葬式。ヤンヤンは父親にもらったカメラでなぜか人の後ろ姿ばかりを映してまわります。ヤンヤンがノートに書いた祖母にあてた手紙の内容が良かったのですが、今になって思い出せません。
純粋な心を持つヤンヤンは哲学者のようです。

静かな映画で、一緒に観ていた夫は寝てしまいました。
疲れていたり寝不足だったりすると、173分はちょっと辛いかもしれません。

結婚式から始まりお葬式で終わるという、ひと夏の家族の出来事を優しく描いた作品でした。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
応援クリックしていただけると励みになります。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

#ヤンヤン夏の想い出 #エドワード・ヤン #台湾映画 #カンヌ国際映画祭監督賞