映画「でっちあげ」恐ろしい映画を観ました。柴咲コウさんの無表情が怖い。綾野剛さんの裁判後10年の中年ぶりも良かったです。

映画

冤罪は起こしてはなりません。
夫の若い同僚が、夜道で女性を襲った疑いで警察に捕まりました。この話しはまたたく間に社内に広がり、皆が知ることになりました。

しばらく留置所に収容されることになり、休職となりました。本人は否定し、奥様も会社に来て涙ながらに無実だと訴えました。
赤ちゃんの夜泣きが原因で、ひとり気晴らしに夜中ドライブしていたそうです。最初は私も「赤ちゃんの夜泣きで夜中にドライブするかね」と思っていました。結局証拠不十分で不起訴となりましたが、それまで会社では皆が疑いもせず、刑事さんがこう言ってた、ああ言ってたという、自分が直接聞いたわけでもないのに、人から聞いた噂だけでその男性の犯行を信じ込んでいました。しばらく休んでから出社になりましたが、まだ疑いを持ち、本当はやっているはずと男性にあからさまに嫌な態度を取る人もいたようです。
自分の目で見たわけでは無いのに、噂だけで自分の思いたいように信じ込む。これは恐ろしいことだと身をもって感じました。

この映画は20年前に実際に起きた事件を映画化したものです。

週刊誌に根も葉も無いこと書かれて、家の周りをマスコミに囲まれ、私だったら耐えられず、「死をもって抗議する」という遺書を残し首吊りするかもしれないです。

ある日突然子どもの両親が学校にやってきて、「うちの息子が担任教師にいじめられた。こんなこと言われた。こんな体罰をされた。さらには自殺するようにも言われた。PTSDを発症した。」と訴えます。

校長と教頭は担任の藪下先生(綾野剛さん)のやっていないという声を無視して、取りあえず謝罪しろと言います。

とりあえず謝ってその場を収めようとする、校長と教頭が憎たらしいです。校長は定年まであと1年。何事もなく定年を迎えたいと考えているので、面倒なことは一切何もしたくないのです。

保護者会でも校長教頭に促され、藪下先生は謝罪してしまいます。

校長と教頭が穏便に済ませようとするのに反して、どんどん話しが大きくなり、市教育委員会から6ヵ月の停職処分、さらに新聞記事になり、週刊誌で「殺人教師」と大々的に書かれる始末です。

問題はこれで終わらず、体罰を受けたと言う子ども側の両親に損害賠償の裁判を起こされます。

藪下先生の家は誹謗中傷のチラシが大量に貼られ、塀にはいたずら書きがされ、家の外にはマスコミが大勢張り付いています。

生徒の両親は550人にもなる弁護団を用意しました。藪下先生は何人もの弁護士に断られ、ようやく一人の弁護士にめぐり合います。引き受けてくれたのは小さな弁護士事務所を構える湯上弁護士(小林薫さん)です。心が折れてやけくそになりそうな藪下先生を湯上弁護士が支えてくれます。

この湯上弁護士のおかげで少しずつ、真実が明らかにされていきます。

母親役の柴咲コウさんの表情が怖いです。まるで蛇の目をしています。

ゴルフ焼けした夫と能面のような妻は、まさにモンスターペアレントです。人間ではなくモンスターです。

そこで分かったことは、今のお金持ち生活とは真逆な、恵まれなかった子ども時代を送る母親の姿です。

体罰を訴えた家族は、その後どうなったのでしょうか。体罰を受けたとされる子どもは、無事に大人になったでしょうか。その家族のことは、もう誰も知らないそうです。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
応援クリックしていただけると励みになります。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

#映画 #でっちあげ #殺人教師 #綾野剛 #柴咲コウ #実際に起きた事件