「BUTTER バター」を読みました。BUTTERとは何だろうと思いつつ読み始めると、普通にパンにつけるバターのことだったのですね。表紙の裏側には海外版の表紙になっており、カタカナで「バター」と書かれ、バターと牛のイラストが書かれています。
主人公の週刊誌記者の町田里香は、首都圏連続不審死事件の被告人梶井真奈子のインタビュー記事を書きたいと、東京拘置所にいる梶井に面会を求めます。
梶井真奈子は木嶋佳苗死刑囚をモデルとしています。
2010年(平成22年)、この事件が報道された時は驚きました。ルッキズムに反しますが、若くない太った女性が、何人もの男性を死に追いやり、「自分には特別な性的魅力があり、受け取る報酬も正当だった。テクニックよりも本来持っている機能が高い」と堂々と語る思考が信じられませんでした。当時はどの週刊誌も毎週のように木嶋佳苗の記事が掲載され、関連した本も数冊出版されています。
現在まで3度の獄中結婚をしています。やはり男性を惑わす何かを持っているのでしょう。
里香はようやく梶井真奈子の面会にたどり着きますが、梶井はフェミニストとマーガリンが許せないと言い、高級なバターを食するように言います。
梶井の言いつけを忠実に実行していく里香は、次第にマインドコントロールされていき、容姿もぷくぷくと太っていきます。
そして里香の親友玲子も梶井に操られていきます。
なぜ二人が獄中の梶井に操られてしまうのか、信じられないと思いますが、この本かなり長編で、次第におかしくなっていく様子が描かれていて、あり得るかもと納得します。
梶井は恐ろしい女だと思いますが、過去を知り、高級フランス料理の教室での様子を知ると、若干の哀れも感じます。
バターを使った料理が幾つも、塩バターラーメンから高級フランス料理まで次々に登場します。どれも美味しそうな描写ですが、ラーメンは別として、食べたことの無い料理ばかりで味の想像がつきません。
結末は里香と梶井の対決になるのかと思いましたが、そこには到達しないで、違う場所に着地します。さわやかな結末で、里香をとりまく人間関係がすてきです。これは真摯に仕事をしてきたからだと思います。里香と親友玲子との信頼関係が一番うらやましいです。人生でここまで信頼できる友人にはなかなか巡り会えません。

著者:柚月麻子
発行:株式会社新潮社
最後まで読んでくださりありがとうございます。
応援クリックしていただけると励みになります。

にほんブログ村
#本 #BUTTER #バター #柚木麻子 #木嶋佳苗