最近のトランプ大統領はより傲慢になっている気がします。
昨年から他国に高関税をかけ、無理やり投資させ、お正月のベネズエラ大統領の拘束に始まり、グリーンランドやカナダを欲しがったりして、EUとの仲も良くないみたいです。同盟国より習近平国家主席やプーチン大統領と仲良くしたいように思えます。
「口訳太平記ラブ&ピース」を読んでる途中、アメリカのジャイアンぶりをニュース等で見て「日本この先大丈夫かな・・・」とますます不安になり、そういえば昨年この本買ったけど途中までしか読んでいなかったと、積んでる本から探し出し、次に読んでみた次第です。
エマニュエル・トッド氏の「西洋の敗北と日本の選択」です。
「私は不幸な西洋人である」との一文から始まります。
「西洋の民主主義」を共に作り出した、英国、米国、フランスの三極が崩壊しつつあるそうです。
まず経済的にダメなうえ、価値観も崩壊しているそうです。
「労働倫理」「自由」「知性」「批判的思考」「人間の理性」「進歩」ということが消滅しつつあると、トッド氏はかなり厳しめです。
トランプ大統領の保護主義は失敗するとトッド氏は言っています。保護主義自体はいいのだけど、アメリカの場合「優秀で能力があり勤勉な労働人口」が足りないそうのだそう。
トランプとその側近は「保護主義で自国の製造業を守るべきだ」「移民の流入はコントロールするべきだ」という主張をしますが、トッド氏はそれを「ルサンチマンの政治」と言っています。米欧のエリートに対する憎悪といった強烈なルサンチマンでそうで、なるほど、そういう理由かと納得です。ウクライナのゼレンスキー大統領と口論になったバンス副大統領からもそれを感じ取れます。
アメリカは世界覇権のため、欧州、中東、東アジアで緊張を高め、紛争や戦争を引き起こそうとし、そこに同盟国をまたは「属国」(この言葉の方がふさわしいと言ってる)を巻き込もうとしているそうです。
もし勤勉で忍耐強い米国であれば中国に勝てたはずなのに、今や勝利するのは困難とのこと。
ここまでアメリカを悪く書くのは、フランス人のトッド氏はもしかしてアメリカ嫌いなのかと思いますが、判断がつきません。
では、これから日本はどうしたらいいのか。
日本はいちおう西洋社会に属していますが、西洋の外部に存在していることがラッキーだったようで、頑張ればなんとか生き残る望みがあるようです。
「核の傘は幻想に過ぎない」と書かれています。
「日本も核武装せよ」「アメリカから自立しろ」とも書かれています。うーん。今の日本は核武装の議論は難しいでしょう。アメリカは台湾も日本も守らないし、もしアメリカが東アジアでもめ事を起こしたら日本は追従してはいけないと書かれています。
今から25年位前、石原慎太郎著「Noと言える日本」という本が流行りましたが、アメリカから何やかんや言われて日本は何もしないことができるのでしょうか。
戦争はいやだけど、アメリカは防衛費を上げろと言うし、実際上がっているし、自分の身は自分で守らなくてはなりませんが、はたして出来るのか日本?
「ロシア中国に対する安全保障を米国に頼るような国は自国の領土を20%程度失う運命にある」と、おそろしい予言をしています。
「米国一極支配の世界」が終焉しつつある時に、日本が生き残るためには、「何もしないこと」「できるだけ何もしないこと」であり、慎重に事態を見守り、「多極化した世界」に自らを位置づけよと書いてあります。
それよりも、日本にとって大きな問題なのは、何より「少子化」だと書いてあります。
『これはいまや先進国共通の問題、文明史的問題となっています。「戦争」や「外敵」を強調して”現実”から目を逸らすのではなく、「若いカップルがなぜ子供をつくらないのか」という自国の真の問題にどの国も向き合うべき時』と書いてあります。
それは確かにそうです。もうずっと昔から少子化少子化と言われていたのにさっぱり良くならないのは、今の年寄りの無策のせいです。先人達はこの問題ををもっと真剣に考えるべきでしたが、仕方ありません。日本は現状を変えたくない人の方が多いから、このまま人口減少に悩みながら小さな国になっていくのかもしれません。
そうならないためには、適度な移民を受け入れて出生率を上昇させるよう提言しています。移民というと毛嫌いする人が多いですが、外国人がいないと成り立たない仕事があるのも事実ですから、適度な人数なら問題ないのでは。
アメリカ以外にもロシア、ドイツ、ウクライナ、中東、イスラエル、ガザなどの国々について、書いてあります。
正直なところ、この本を読んで「なるほど」と思うことしか出来ません。もうすぐ年金をもらう身にできることは、世界平和を祈ることぐらいです。
そしていつかは
祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
となるわけですね。
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#西洋の敗北と日本の選択 #エマニュエル・トッド
