「カフカはなぜ自殺しなかったのか?」という本を読みました。
著者は頭木弘樹さん。他にも「絶望歌詞集」「絶望名言」という本を書いています。
1883年生まれチェコ・プラハ出身の小説家フランツ・カフカは、若い頃からずっと死にたい願望を持って生きていました。芥川龍之介と同世代です。
サラリーマン生活を送りながら小説を書き、出版された作品もありますが、ほとんど無名でした。代表作は「変身」、他に「審判」「城」「失踪者」などがあります。死後に評価が高くなった作家です。
物静かで目立たず、社交的な場は苦手な、背が高く痩せていて、菜食主義者でした。
日記やメモや手紙を大量に残しています。特に恋人に手紙を送るのが好きで、毎日のように手紙を書き、返事が来ないと催促の手紙を送り、それも書留で送ったりと、若干ストーカーっぽいことをしていました。
恋人のフェリーツェとは、2度婚約しますが、重責に負けて2度婚約破棄してしまいます。「結婚したいけど、結婚したくない」と、結局カフカはフェリーツェに別れを告げてしまいます。
カフカの人生はいつも行ったり来たりです。親友の作家がカフカの才能を知り本の出版を勧めても、「本を出したいけど、出したくない」と言います。後悔しても、これで良かったのだと日記と書きます。いつも優柔不断で物事を決められません。
何度も自殺を考え、ほとんどいつも死にたいと考えていたそうです。
著者の頭木弘樹さんは、これこそカフカの強さといいます。
普通の人は決断して「えいっ!」と飛び越えたりしますが、カフカは絶対に飛び越えません。妥協しないで、永遠に迷い続けます。
『優柔不断は決断しない強さ』だと書いています。
今まで優柔不断は悪いことだと思っていましたが、見方を変えると強さになるのですね。
「自殺したいけど、自殺したくない」って考える人はいると思います。
私も「いっそ死んでしまいたい」と中学1年の時から考えています。その反面、海外旅行に行きたいと考えます。コンサートのチケットを予約したりもします。
人生の多くは白黒はっきりしないグレーゾーンとも書いてあります。
曖昧でも矛盾でもいいそうです。
カフカは40才で結核で亡くなります。自殺しなかったけど、病気で早くに亡くなります。
私は、ノストラダムスが予言した1999年地球滅亡をまぬがれて、父が亡くなった年令をとっくに超えて、まだ生きています。2025年7月5日も無事に過ぎました。
中学生のとき夢想した「雪山で死ぬ」は決行できなくなりました。母の介護と夫のお世話があるし、いい年した独身の弟が心配です。とりあえず生きなければならなくなりました。

著者:頭木弘樹
発行:株式会社春秋社
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