映画「ルノワール」小五のひと夏の経験。大人の入り口で不安定に立つ。

映画

急に暑くなり、この前熱中症になりかけました。

仕事帰りに動悸頭痛吐き気がして、もうダメだ家にたどり着けない!と思い、ファミマに寄りアイスコーヒーで休憩。

夫に「頭痛吐き気で晩ご飯無理」とラインすると、「それ熱中症の症状だから家に着いたらクーラーかけてスポーツドリンク飲んで、首の後ろと脇と股関節をアイスノンで冷やすように」と返信があり、その通りに実行。徐々に回復しました。

それにしても暑い日々。現在まだ6月なのに、この先どうなるのか心配です。

映画「ルノワール」を観ました。

1987年に生きる11才の少女フキが主人公です。

フキの夏休みにおこった出来事と妄想の世界が交互に描かれます。

自分のお葬式を妄想して泣きながら目覚め、「私はみなしごになりたい」という作文を書いて学校の先生を困惑させます。保護者面談が終わり、夏休みに突入。ランドセルにむりやり詰め込んだ教材と荷物を持って学校から帰ってきます。

感動を盛り上げるような音楽は一切無く淡々と過ぎていくのですが、なぜか生活音が大きく、父親が倒れて救急車を呼ぶシーンではバタバタと慌ててるのに、やたらテレビの音が大きく、テレビ消せばいいのにって気持ちになります。

1980年代後半の日本がイケイケの時代は常に音が溢れていて、私が忘れただけで、もしかしたらこんなにうるさかったかもしれないです。

きれいに編み込まれた三つ編みの少女と友だちになりますが、急に引っ越すことになり、お別れしてしまいます。

近くのマンションのベランダからずっと下を見つめる女性に声をかけ、お宅におじゃまし、夫をなくしたばかりという彼女の独白を聞きます。ちょっと子どもには理解しがたい内容で、どこまでフキが理解しているかどうかは分かりません。

テレクラで知り合った大学生に自宅に連れていかれますが、奇跡的に助かります。本人はそれがどれだけ危険なことだったか分かっていません。見知らぬ街で豪雨の中しゃがみこんでいますが、その時迎えにきて背中におぶってくれたのはガンで入院している父親でした。

重病の父親が迎えに来られるはずは無く、これは妄想で、実際どうやって家に帰ったのかは描かれていません。

フキの母親は管理職で忙しくうえに、夫の看病と家事で常に不機嫌です。おまけに不倫もしています。まだ亡くなっていないのに、お葬式のことを誰かに相談したり、早々と喪服の着物を衣紋掛けにかけています。そのこともフキは知っています。

娘の最近の行動は何も知らないのではないかと思います。

お母さん、フキは結構危ない橋を渡っています。

フキの演技が自然で、まるで普段の生活を透明なカメラで撮影したかのようです。

私の小五時代は転校生でしたので、大きく環境が変わり、初めての経験がいくつもありました。一人で出来る行動の範囲が広がり、急に世界が広がっていくような、そんな年令でもありました。

海に船が出航し、船上ではパーティが開かれています。お酒を飲み、踊っている外国人たちの中で、白いワンピースを着て一緒に踊るフキがいます。
もちろん妄想ですが、大人の入り口に立っているのだと、自分自身を振りかえってみても実感します。

映画の中の夏は現在よりすごしやすそうな夏に感じます。当時は熱中症と言わず日射病って言っていました。なんだか今の方が暑いような気がします。
たまたま私のブログを読んで下さった方々、水分補給して、くれぐれも熱中症に気をつけてください。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
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#映画 #ルノワール #フキ #小五 #夏 #熱中症